高品質と低価格
この両立のために

当社のモデルハウスを訪れてくださる方の6割は、世帯年収が400万円以下。いわゆるローコストメーカーを中心に検討されている方々だと思います。明確な基準があるわけではないですが、ハウスメーカーも他業種と同じく高級化と低価格化の二極化が進んでいるのは間違いありません。子育てをしながらマイホームを求める多くの若い夫婦にとって、高級住宅は最初から選択肢に入っていないのが現実でしょう。ローコストメーカーの一員として、当社は、その状況をただ傍観していられません。何とかローコストでありながら高品質の家づくりを実現できないか、と考え続けてきました。
価格を上げればいろんなことができます。原材料から工法、デザインまでいくらでも選択の幅が広がる。しかし価格を抑えてそれらを提供するとなると、相当の工夫が必要となります。そこで当社としては、一定の販売棟数を確保することを前提条件に、原材料と工事のコストを大幅に圧縮することを目指しました。とはいえ、当社だけで家が建つわけでなく、多くの協力企業のみなさまに理解していただかなければ実現しません。協力をあおぐため、全国に足を運んで当社の理念を説明させていただきました。
とにかくダメもとで当たって砕けろ、という感じで行動してみると、意外にみなさん話を聞いてくれました。ただ単に当社の都合で安くしてくれ、という話ではなく、業界全体のことを考えてのコスト見直し、という部分を評価していただいたようです。

雪国で鍛えられた
家づくりの基本技術

交渉の相手は、木材では全国一と評される広島のウッドワンさんはじめ、いずれも業界で一流、トップメーカーと呼ばれる企業ばかり。なぜなら高品質を標榜する以上、すべて本物でなければ意味がないからです。ローコストメーカーが頑張って高級路線を目指しました、ではなくて「一流メーカーの材質と技術で建てる高品質の家」を低価格で販売する、これが大切です。
また、当社が新潟で 34 年間、家を建ててきた経験から言えることですが、雪国基準とでもいいましょうか、見せかけだけの建築では厳しい冬を乗り越えることができません。そのためにも、一流メーカーの素材と技術を結集する必要があったのです。
機能面はもちろん、とくに力を入れたのがデザイン面。お客様世代のライフスタイルを考えると、幼い頃からスタイリッシュなものに囲まれ育ってきた、デザインに目の肥えた方が多いと考えられます。そういった方々が、自分なりのこだわりを持ち、心から愛着を感じる建築デザインを提示しなければ、いくら高品質であっても意味がないのです。そのため、東京の一流デザイナーに依頼して間取りから外観まで、トータルでプロデュースしてもらいました。スタイリッシュでありながら落ち着きのある、長く愛着の持てるデザインを実現できたと思います。
こうして総合的に商品ラインナップを再構築することで、はからずも根本的に家づくりそのものを見直すことになりました。ハウスメーカーはどこでもそうでしょうが、とにかく一棟でも多く売るためセールス部門に特化しがちです。そんな中、お客様目線で家づくりの根本を考え直すことができたのは、当社にとって非常に幸運なことだと思っています。

最終的には「人」が大切
人材育成が今後の課題

先述しましたが、低価格と高品質を両立させるには一定数の販売をクリアしなければなりません。当社の思いが伝わり、多くの方々から受注できたとして、さらに問題がありました。建設業は全国的に深刻な人手不足に陥っており、実際に家を建てる職人さんの確保が非常に難しいのです。仕事をお願いしても一ヶ月や二ヶ月待たされることが珍しくない中で、安定して着工できる体勢を整えることも急務でした。
また、新しい家づくりのコンセプトをきちんとお客様に説明し、納得していただくには営業マンのスキルも重要です。たとえば、標準装備のひとつである「アクアフォーム」にしても、『隙間のない家』を実現することでトップランナー基準に該当しやすくなり、フラット 35 S の審査に通りやすくなるのですが、そういったことはマニュアルで営業マンに教え込んでもダメなんですね。お客様の立場になって、私ならこうしますと心から思って初めて相手に伝わるものです。事業拡大のために優秀な営業マンと技術者をいかに育成していくか。これが今後の最大のテーマといえます。
お客様にこの場を借りてぜひお願いしたいのは、まだまだ未熟な当社の営業マン、そして技術者を育てるためにも、お気づきのことを教えていただきたい、ということです。中にはお厳しい言葉もあるかも知れません。しかし、そういったお客様の声の中にしか、当社が必要としているヒントはないと思っています。より多くの方に、マイホームの夢を実現していただく。それをお客様と一緒に実現することこそが、われわれにとってのクオリティライフです。

(「PaPaPress」7月号のインタビュー記事より)